ドラッグストアなどのサプリメントコーナーに置いてある「ビール酵母」
最近では、ビール酵母配合のパンなども多く見かけるようになりましたよね。
ビール酵母とは、ビールを作った際に出る残りの“カス”のことです。
ですが驚くことに、実はこの残りカスの中にはたくさんの栄養が含まれており、さまざまな効能があることがわかっています。

この記事では、近年”スーパーフード”と言われ注目を浴びているビール酵母の効果について解説していきます
そもそもビール酵母って何?
ビールを醸造するのに欠かせない微生物のひとつが「ビール酵母」です。
糖をアルコールと二酸化炭素に分解する微生物
ビール酵母はもともとビールを醸造する際、発酵することにより、糖をアルコールと二酸化炭素に分解する微生物のこと。
分解されたあとのアルコール分が「ビール」と呼ばれるため、残った原料カスが「ビール酵母」と呼ばれるようになります。
この残ったビール酵母を乾燥し粉末状にしたものが、サプリメントやパン、味噌などに利用されます。
ビール酵母は非常に細かいフィルターでろ過されるため、分解されたあとのアルコール分であるビールには、ビール酵母は含まれていません。
発酵後の栄養豊富な”カス”を洗浄して乾燥したもの
昔はビールを作った後に沈殿したビール酵母は廃棄処分されており、大量に処分するのには多くの費用がかかるため困難を要していたそうです。
しかし大正時代、この沈殿したものに、ビールにはない多くの栄養が含まれていることが発見されます。
その後研究を重ね、昭和時代に入ると、洗浄して乾燥したものを二次食品として活用できるようになりました。
ビール酵母に含まれている栄養素と効果
ビールを作った後に出てくる酵母は、ビールよりはるかに栄養価が高いといわれています。
ビタミン類など多く含まれているため、以前は脚気の治療としても使用されていたそうです。
現在では、栄養補助食品や栄養強壮剤、および胃腸虚弱などに錠剤のサプリメントとして利用されることが多くなりました。
また粉末状にしたものは食品などにも多く使用されています。
ビール酵母は、実にさまざまな栄養素を含んでおり、ビール酵母を摂取することで手軽に栄養補給ができます。
【ビール酵母に含まれる主な成分】
- ビタミンB群
- 葉酸
- パントテン酸
- マグネシウム
- カリウム
- カルシウム
- リン
- 食物繊維
- アミノ酸
- タンパク質
- 亜鉛
- ナイアシン
- 鉄 など
体内の善玉菌をサポートする乳酸菌
乳酸菌などの腸内の善玉菌の数を増やし、胃腸の消化機能をサポートしてくれる働きがあります。
油っこい食べ物を食べた後の、胃がもたれている時や消化不良を起こしている時などに、ビール酵母を摂取すると消化を助けてくれスッキリします。
またアルコールの飲み過ぎでの二日酔いにも効果的です。
アルコールを飲み過ぎると肝臓で代謝できないため、アセトアルデヒトという毒性のある物質が体内に残ります。
ビール酵母を摂取することにより、肝臓での代謝を促してアセトアルデヒトを体外へ流してくれる働きがあるといわれています。
豊富なビタミンやアミノ酸が栄養補助食品に
ビール酵母は疲れた体の栄養補給にもピッタリ。
葉酸やビタミン類、アミノ酸などたくさんの栄養素が摂取でき、蓄積された疲労を改善してくれる効果があるんです。
ビタミンB群は糖や脂肪をエネルギーに変えてくれる働きがあり、アミノ酸はタンパク質を形成し、食欲を増進させ体調不良を整えてくれます。
またカルシウムはイライラを鎮め、鉄分は赤血球を作り貧血予防に役立ちます。
ビール酵母はあらゆる栄養素を手軽に摂取できる万能な成分なんですよ。
そのため、妊娠中や授乳中の方の栄養補給に摂取するのも推奨されています。
食物繊維が腸内環境を整える
ビール酵母には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は整腸作用があり、腸の動きを促してくれる成分になります。
便秘が続くと肌荒れなどを引き起こし、なかなか厄介なものです。
ビール酵母を摂ることにより、腸内環境を整え便秘を改善できることが期待できますよ。
※ビール酵母アレルギーや大麦アレルギーの方は摂取しない方がいいでしょう。
ビール酵母は豊富な栄養素を含む食品:まとめ
ビール酵母はビール醸造だけでなく、体にうれしい豊富な栄養素をたっぷり含んでいます。
胃腸の働きを整え便秘を改善し、疲れた体や体力の回復に栄養補給するのに役立つ食品です。

気軽に栄養補給できるビール酵母
摂取するなら、顆粒より苦みを感じにくい錠剤がおすすめです
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