お寿司とセットになっている「ガリ」と呼ばれるショウガの甘酢漬けや、お袋の味でもある豚肉のショウガ焼きなど、ショウガは私たちの食生活に欠かせない食材です。
ショウガは食用や漢方にと幅広く利用され、昔から世界中で親しまれている香辛野菜のひとつ。
どういった食材と合わせて調理しても相性が良く、独特の香りと辛みが食欲をそそります。
また、風邪の引きはじめや、冷え性の予防に生姜湯を飲んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ショウガに含まれる代表的な3つの成分と、種類別にみるショウガの特徴についてご紹介します
知っておきたいショウガの3つの成分!
ショウガは暖かい地域や温室などで栽培されます。
地下を這うように伸びている淡い黄色の根茎は、肉質が厚く肥えており、独特の香りと辛味があるのが特徴です。
ショウガには200種類以上の香り成分が含まれているといわれ、主な栄養素としてはカリウム、亜鉛、銅、マグネシウム、食物繊維。
生のショウガは加熱・乾燥すると、成分が変化し、以下のような違う特性を持つようになります。
ジンゲロール
- 生のショウガに多く含まれている辛み成分
- 殺菌作用や抗炎症作用がある
- 空気に触れると酸化しやすい
- 加熱や乾燥で別の成分に変わる
ジンゲロン
- ジンゲロールが加熱や乾燥で変化したもの
- 血行促進や発汗作用があり脂肪の燃焼を助ける
ショウガオール
- ジンゲロールが加熱や乾燥で変化したもの
- 活性酸素の除去
- 血流を良くしカラダを温めてくれる効果
辛味成分のジンゲロールやジンゲロンは、魚料理に付着する菌の増殖を抑制したり、生臭さを消してくれたりする作用があります。
そのほか、吐き気や胃潰瘍防止にも有効です。
冷え性の改善には生のショウガでは効果が出ないので、加熱・乾燥する方が効果的。
100℃以上の熱が加わるとショウガの有効成分が破壊されてしまいますので、加熱温度は100℃以下にして沸騰しすぎないように気をつけましょう。
またショウガは摂りすぎると胃腸が荒れる場合があり、妊婦の方はショウガを多く摂取すると流産のリスクがあるので注意が必要です。
適量は一日に5~10グラム程度なので、必ず守ってくださいね。
種類別にみるショウガの特徴
日本では栽培や収穫方法、出荷時期により以下の4つの種類に分類されます。
新ショウガ
- 初夏に地下の根茎部分を収穫しすぐに出荷される
- 白っぽい表面で、つけ根はほんのり紅い
- 辛味はまだ弱く、皮に筋が少なく柔らかい
- 生食や”ガリ”など甘酢漬けにすることが多い
- 生で食すのは日本独特の習慣
根ショウガ
- 地下に伸びている根茎部分
- 新ショウガを保存し一年中出荷できるようにしている
- 前年度保存していたものはヒネショウガまたは種ショウガと呼んでいる
- 旬は11月頃で、香りが増し辛味成分が高まる
葉生姜
- 根茎が小指ほどの大きさに成長したところで葉ごと収穫されたもの
- 初夏は若い時期に収穫し、初夏は旬と見なされます。
棒ショウガ
- 日光を遮るおおいをかぶせたりして弱光下で栽培し、15cmくらいまで成長したところで太陽に当て茎元が紅くなったところで栽培したもの
- 主に焼き魚の彩りとして利用されることが多い
ショウガの由来
名称の由来
ショウガ(生姜)は、アジア大陸からミョウガ(茗荷)とともに持ち込まれ、当時は香りが強いショウガの方を「兄香(せのか)」、香りが弱いミョウガの方を「妹香(めのか)」と呼んでいました。
その「せのか」がショウガ、「めのか」がミョウガと音がなまって変化し、現在の名称になったということです。
日本最古の現存する歴史書『古事記』では、別名「はじかみ」という名でたびたび登場しています。
紀元前から食用や医薬品として利用
ショウガの原産地は厳密には不明なのですが、熱帯アジアが原産である可能性が最も高いといわれています。
紀元前650年以上前の中国では食用としてすでに食されており、紀元前300~500年前のインドでは保存食や医薬品として使用されていました。
1世紀頃にはヨーロッパに伝わり、主に生薬として利用されていたそうです。
日本では2~3世紀頃に中国から伝来したとされ、奈良時代に本格的な栽培が始まりました。
ショウガは体をあたため若々しさを保つ:まとめ
古くから世界中の国々で食されているショウガ。
漢方薬としても認知度が高く、女性に嬉しい冷え性改善にとても効果的です。
また発熱を下げ、咳を落ち着かせてくれる働きがあるので、風邪の引き始めに温かい生姜湯を飲むといいですよ。
体が芯からぽかぽかして、気持ちもなんだかホッとします。
ショウガは豚の生姜焼きなど調味料としても活躍し、私たちの胃を満たしてくれる万能な食材ですね。

実は、ヨーロッパではスパイスとして乾燥したショウガが使われており、生でショウガを食べるのは日本だけなんですよ
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