味噌汁の出汁など、主に和食に多く使われている「いりこ」
そのまま食べるおやつとしても人気がありますよね。
いりこは手軽に摂れるカルシウムとして知られていますが、実はいりこにはカルシウムだけでなく、ほかにもたくさんの栄養が含まれているんですよ。

この記事では、旨みがたっぷり詰まっている”いりこ”の栄養や保存法、美味しいいりこの見分け方などについてご紹介していきます
いりの旨み成分には海の栄養がたっぷり!【カルシウム以外にも】
「いりこ」とは漁獲後、海水で煮て、水分が18%以下にまで乾燥させたイワシのことです。
また、いりこは西日本の方では「煮干し」とも呼ばれており、讃岐うどんや出汁が決め手の関西うどんなどに欠かせない存在となっています。
いりこが持つ栄養素
”いりこ”と聞くと、ほとんどの人が思い浮かべるのがカルシウムではないでしょうか。
カルシウムは日本人に不足しがちな成分でもあります。
そこで近年、てっ取り早くカルシウムが取れるということで、いりこが見直され始めています。
また、いりこにはカルシウムのほかにも血液がサラサラになる成分など、私たちのカラダに嬉しい成分が豊富に含まれているんですよ。
いりこには主に以下の6つの栄養素が含まれています。
カルシウム
- 歯や骨を丈夫にする
- 血液の凝固を防ぐ
- 気持ちを落ち着かせる
マグネシウム
- カルシウムが骨に吸収されるのを助ける
鉄
- 赤血球中のヘモグロビンを作る成分
- 血液を通して全身に酸素を運ぶ役目もある
DHA
- 魚に含まれている脂肪酸
- 血液をサラサラにし、頭の働きをよくする
EPA
- DHAと同じく魚に含まれる脂肪酸
- 血液中の中性脂肪を減らしてくれる効果がある
イワシペプチド
- イワシに含まれている酵素で血圧を安定させる
摂りすぎるに注意
いりこは海水で煮るため塩分を多く含んでいます。
食べ過ぎると塩分過多になってしまうので要注意。
おやつなどでそのまま食べる場合は、一日30グラムほどが適量ですよ。
また、いりこには”プリン体”と呼ばれる旨み成分が入っていますが、摂りすぎると通風や尿管結石になる可能性があるので気をつけましょう。
いりこの種類と鮮度の見分け方
いりこの主な原料”カタクチイワシ”
一般的によく使われている原料はカタクチイワシという種類です。
カタクチイワシは市場に出回っているシェアの8割ほどを占めており、ほかにはマイワシやウルメイワシなどの種類があります。
カタクチイワシは大きさにより呼称が変わり、5種類に分類されます。
大羽
- 体長8.5㎝以上
- 旨みが濃くでるため、うどん出汁などに用いられる
中羽
- 体長7~8㎝ほど
- 丁度良い濃さの旨みと風味
小羽
- 体長5~6㎝ほど
- そのまま食べるか、あっさりした出汁を取りたいときに
カエリ
- 体長3~4㎝ほど
- おやつとしてそのまま食べるか、佃煮に加工
ちりめん
- 体長3㎝以下
- 佃煮やふりかけなどに用いられる
鮮度の見分け方
カタクチイワシは鮮度が落ちるのが早く、漁獲から乾燥までの加工のスピードによって品質に差が生じます。
鮮度が低いと栄養も少なくなり、旨みや風味が落ちてイワシ独特の臭みが・・・。
素早く加工されたものは鮮度が落ちず、イワシ独特の臭みや苦みがないのが特長です。
への字に曲がっている
新鮮な魚は加工する際に背中がへの字に曲がる
目が白い・ツヤがある
新鮮な証拠で臭みがないのが特徴
形に欠けがない
鮮度が悪いと加工の際に頭や腹が欠けやすい
いりこだしの保存方法
いりこに含まれている脂肪酸は時間が経つと酸化し、生臭く嫌な臭いがしてくるようになります。
出汁をとって2日以内に使うのであれば冷蔵庫、すぐには使わない、という場合には通気性の少ないジップロックかタッパーに入れて冷凍庫で保管しましょう。
冷凍庫での保管でも、だいたい3週間をめどに使い切るようにしてくださいね。
いりこには海の風味と旨みがぎっしり:まとめ
最近では市販で顆粒のいりこだしなども多く出回っており、忙しい朝でも簡単にいりこだしを使った味噌汁などを作ることができます。
しかし、時間があるときにぜひ、ご自身でいりこだしを丁寧に取るのもオススメです。
市販のいりこだしにはない、優しいいりこの風味と旨みを存分に堪能でき、澄んだ出汁の色を見るとほっこり気持ちも和んできますよ。

いりこには海の風味と旨みがぎっしりつまっています*
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