突然訪れる訃報。
親類や友人、仕事関係の方が亡くなると葬儀に参列します。
葬儀には香典を持参し、遺族にお悔やみの言葉を述べますが、香典のマナーについてあまり詳しくない、という方も多いのではないでしょうか。
特に香典を包む際の“不祝儀袋”の表書きや水引の色、金額の相場などで悩みますよね。

この記事では、いざという時に困らないために
香典のマナーや相場についてご紹介していきます
知っておくべき香典のマナーとは?不祝儀袋の知識
香典とは、通夜や葬儀などで故人の霊前に供える金銭や品物のこと。
“香料”とも呼ばれ、「香」という文字には「線香やお香の代わりに供えます」という意味があるんです。
香典は「御香典」などと書いた不祝儀袋に入れて、葬儀の時に持参します。
不祝儀袋のマナー
お通夜や葬式などに用いる不祝儀袋には熨斗(のし)は不要です。
水引の色は黒白もしくは双銀で、結び切りのものを使用し、表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」とするのが習わしとなっています。
不祝儀袋の裏折りは上側を下側にかぶせるように折るのがルールです。
不祝儀袋の表には、水引の結び目の下に贈り主名を薄墨で丁寧に書きます。
薄墨は悲しみを表している意味があるので、必ず葬儀の際に持参する御香典は薄墨を使用しましょう。
不祝儀袋の中のお札を直接入れる内袋は、ボールペンなどで書いても大丈夫。
内袋には表に香典の金額、裏に名前記載しますが、字体は壱(いち)弐(に)参(さん)萬(まん)などの漢数字を使います。
「字に自信がない・・・」という方も、なるべく手書きの方がいいですね。
家族で香典を包む場合は世帯主の名前を記載します。
妻が弔問する場合も世帯主の名前で書くのが基本です。
宗教により異なる表書き
香典の表書きや水引、デザインなどは葬儀をあげる家の宗教により異なるので注意しましょう。
仏教なのかキリスト教なのかわからない場合、「御霊前」と書いておけばどの宗教にも使えます。
【仏式】
- 仏式の不祝儀袋は白無地か蓮(はす)の花が描かれたもの
- 水引は白黒か双銀で結びきり
- 表書きは 御霊前 御香料 御香典
※浄土真宗では死後の思想がほかの宗派と違うため表書きは御佛前
【神式】
- 不祝儀袋は白無地
- 水引は黒白か双白の結び切り
- 表書きは 御榊料(おさかきりょう) 御玉串料(おたまぐしりょう) 御神前(ごしんぜん)
※香典という呼び名は正式には仏式のもののため、神道では香典と呼ばない
【キリスト教式】
- 不祝儀袋は白無地に十字架か百合の花の絵柄の封筒
- 水引は無し、もしくは双銀の結び切り
- 表書きは 御花料(おはなりょう)
※カトリックならば 御ミサ料、プロテスタントならば忌慰料(きみりょう)と使い分けても
通夜と葬儀どちらにも欠席する場合
遠方などやむを得ず、通夜にも葬儀にも参列できない場合は、現金書留で郵送するのも可能です。
その際も必ず香典は不祝儀袋に入れ、参列できないお詫びと「このたびはご愁傷様です・・・」などのお悔やみの言葉をひとこと添えて送りましょう。
また香典とは別に、葬儀の前日までに哀悼の意を表す弔電を送るといいですね。
香典で包む金額は?
香典を包む金額は家族や親戚、友人などで異なります。
故人と生前親しい付き合いだったとかでも変わるので、一般的な香典の相場を目安に考えると安心です。
香典の相場
両親 5万~10万円
きょうだい 3万円~5万円
祖父母 1万円~5万円
義父・義母 1万円~3万円
おじ・おば 1万円~3万円
その他の親族 1万円~5万円
仕事関係 3000円~3万円
友人・知人 5000円~3万円
隣人・近所 5000円
※偶数は割り切れる数字のため、故人との縁が切れるとの意味を持つので避けた方がよい
香典に入れるお札の注意点
香典のお札は以前、新札は使用しない方がいいと言われていましたが、最近では新札でもそれほど気にしなくてよいといわれています。
ですが気になるのであれば、新札に縦半分に折り目をつけて入れるといいですよ。
あまりにも汚れが目立っていたり、クシャクシャにシワが寄っていたりするお札は避けましょう。
- 古いお札(汚いお札はNG)
- 新札でもOK
- お札の肖像画が裏になるように入れる
- 向きは統一する
供花・供物の相場
供花や供物を贈る場合、葬儀を行う遺族に必ず贈っていいか確認を取りましょう。
また肉・魚類などの生ものは殺生を思わせるためタブーです。
- 供花 1万~5万
- 供物 5000~1万円
- 線香・ろうそく 3000~5000円
神式での葬儀では線香やろうそくは使用しないため、代わりに果物やお菓子などの供物を。
キリスト教では供花は贈ってもいいとされていますが、供物は贈りません。
香典をお断りされている場合
近年では香典をお断りします、という葬儀もあり、事前に断りの知らせを受けた場合は、香典は持参せず受付で記帳のみします。
とてもお世話になった方など、どうしても香典や供花など贈りたいときは遺族に直接相談してみましょう。
いざという時慌てないために:まとめ
香典は亡くなった人の霊前に供えるもの。
残された遺族へ失礼にならにように、香典の知識を身につけておきましょう。
宗教の違いで不祝儀袋の表書きや水引が異なり、故人との生前の間柄により香典の相場も変わってきます。

香典のマナーについてしっかり理解していれば、いざという時に慌てなくてすみますね
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